ケロイドの再発、注射で平らになったのになぜまた大きくなる?
ケロイドが注射のあとにまた大きくなる理由と肥厚性瘢痕との違い、再発を減らすために平らになったあとも続ける圧迫やシリコンシートの考え方をまとめました。
ケロイドは、注射で平らになってもまた大きくなることがあります。傷あとの組織がつくられ続ける性質までは、注射で消えないためです。再発を減らすには、注射のあとも圧迫やシリコンシートを数か月かけて続けます。
この記事の要点
- ケロイドは平らになっても組織が増え続けるため、平らになったあとの治療まで続けることが大切です。
- 注射の間隔:ステロイド注射は4週間前後おきに何回か続け、かゆみと痛みが先に軽くなります。
- 切り取ったあとに放射線治療を加えた場合でも、再発は14〜18%と報告されています。
- シリコンシート:1日12〜24時間、少なくとも8〜12週間は貼り続けます。
ケロイドと肥厚性瘢痕の違いは?また大きくなるのはどちら?
また大きくなりやすいのはケロイドで、もとの傷の範囲をこえて広がる点が違います。ケロイドは、傷が治ったあとも傷あとの組織がつくられ続けます。そのため数か月から数年かけて、まわりの皮膚へゆっくり広がっていきます。注射は、すでにできた傷あとをやわらかく平らにしますが、この性質そのものを止めるわけではありません。
よく似た肥厚性瘢痕*は、傷から1〜2か月のうちに現れ、もとの傷の範囲にとどまります。ケロイドは傷から数か月たって現れることもあり、範囲の外へはみ出すのが見分けるポイントです。どちらか迷うときは、傷ができた時期とはみ出し方を、診察で一緒に確かめます。
*肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん):盛り上がっても、もとの傷の範囲にとどまる傷あとです。

ステロイド注射は何週間おき?回数と副作用の注意点
ステロイド注射は1回で終わらせず、4週間前後の間隔で何回か続けます。最初の注射のあとは、かゆみと痛みが先に軽くなり、傷あとがやわらかくなっていきます。
回数を重ねると、注射した場所の皮膚が薄くなったり、白く色が抜けたりすることがあります。ケロイドの60人を2つのグループに分けて比べた研究では、4週間おきに4回注射していました。その結果、ステロイドの側では色が抜けたのが80%、皮膚が薄くなったのが73.3%でした。肌の色が濃い方は、注射した場所に白い斑点が出ることもあります。
そのため毎回、傷あとの高さと硬さを指で確かめてから、次の間隔と量を決めます。次のような変化に気づいたら、次の注射を待たずにご連絡ください。
- 注射した場所がへこむ、または皮膚が薄く見える
- 白く抜けた斑点が少しずつ広がる
- 細い赤い血管が糸のように透けて見える
注射した場所に膿や熱っぽさが出たときも、すぐに医療機関を受診してください。

ケロイドを切り取れば、再発は減る?
切り取るだけでは、ケロイドはほぼすべてがまた大きくなります。そのため切り取ったあとは、別の治療を1つ以上組み合わせて再発を減らします。切り取ったあとに放射線治療を加えた106の研究、ケロイド10,745個をまとめた分析では、再発は14〜18%でした。その一方で、合併症も9〜18%で報告されています。
注射を組み合わせる場合は、手術の前や手術中より、手術のあとに打ったほうが再発が少なかったという報告もあります。ただし、ほかの医療機関の記録を集めて比べたもので、根拠の強さは高くありません。耳のケロイドは、切り取ったあとに圧迫用のイヤリングを1日12〜20時間、数か月つけると、再発を防ぐ助けになります。

平らになったあと、シリコンシートと圧迫はどのくらい続ける?
傷あとが平らになったあとも、シリコンシートや圧迫を数か月続けます。シリコンシートは1日12〜24時間、少なくとも8〜12週間は貼り続け、さらに長く使うこともあります。かさぶたがある場所や、治りきっていない傷には貼らないでください。
できたばかりの小さなケロイドに、まずシリコンシートを試すこともあります。耳や体に新しい傷ができたときは、治った時点でシートを貼り、ケロイドが育つのを防ぐ使い方もあります。ケロイドができやすい方は、ピアスや不要な傷を避けることも、再発を減らす方法の一つです。日々のケアとして続けましょう。

韓国旅行の日程の中で、ケロイドの注射を受けるなら
睡眠麻酔を使った日を除けば、施術後の飛行機の予定を理由にケロイドの注射を延ばす必要はありません。
ヒアルロン酸のフィラーのように、その日のうちに形が変わる施術もあります。ただ、多くの施術は一度で大きく変えるものではなく、少しずつ以前の状態に近づけていきます。ケロイドの注射も何回かに分けて続けるため、旅行中の1回で治療が終わるわけではありません。
帰国後に傷あとの写真を撮ったら、LINEに送って経過をご相談いただけます。日本人スタッフが在籍しているので、日本語でそのままご相談いただけます。注射した場所に強い痛みや腫れが出たときは、返信を待たずに日本の医療機関を受診してください。

まとめ:再発に早く気づくために相談で確かめること
注射の間隔と一緒に、平らになったあと何を何か月続けるかまで決めておくと、再発に早く気づきやすくなります。最後に注射した日付と、その日の傷あとの写真を残しておきましょう。同じ角度と明るさで撮っておくと、また大きくなっているかを比べやすくなります。
当治療は自由診療(保険適用外)です。費用は部位や回数により異なります。注射した場所の皮膚が薄くなる、色が抜けるなどの副作用が出る場合があります。
ご相談の際は、「注射を終えたあと、シリコンや圧迫を何週間続けるか」を最初に確認すると、治療の終わり方が見えやすくなります。ソウルのハプチョン(合井)にあるBeautystoneでは、LINEでのご相談を承っています。ケロイドができた部位、できてからの期間、これまでに受けた治療を添えてお送りください。
参考にした資料
- ケロイドの治療方法と再発を減らす方法(米国皮膚科学会 AAD)
- ケロイドができる理由と、できやすい人(米国皮膚科学会 AAD)
- ケロイドと肥厚性瘢痕の特徴、シリコンシートを使う期間(DermNet)
- ケロイドを切り取ったあとに放射線治療を加えたときの再発の割合(J Plast Reconstr Aesthet Surg, 2026)
- 手術の前・中・後のステロイド注射の時期による再発の比較(Aesthetic Plast Surg, 2024)
- ケロイドの60人に4週間おきに4回注射した比較研究(Wound Repair Regen, 2024)
よくある質問
Q. ケロイドの注射で、傷あとは完全になくなりますか?
A. ケロイドの注射で、傷あとが完全になくなるとは言いにくいです。注射は、かゆみと痛みを先に軽くし、傷あとをやわらかく平らにする治療です。注射だけで終わらせず、圧迫やシリコンシートも合わせて計画します。
Q. 耳のピアスの穴にできたケロイドも、また出てきますか?
A. 耳のピアスの穴にできたケロイドも、切り取ったあとにまた出てくることがあります。そのため切り取ったあとは、圧迫用のイヤリングを1日12〜20時間、数か月つける方法を使います。同じ場所にもう一度ピアスを開けると再発することがあるため、お控えください。
Q. ケロイド体質の見分け方はありますか?
A. ケロイド体質かどうかは、家族にケロイドのある人がいるかが一つの目安です。ケロイドがある方の33〜50%は、家族にもケロイドのある人がいます。肌の色が濃い方に多く、胸の上のほう、肩、耳、首にできやすい傾向があります。
Q. ケロイドの冷凍療法は、どんな人に向いていますか?
A. ケロイドの冷凍療法は、小さなケロイドに向いている治療です。3回以上受けた場合に結果がよかったとされています。ただし肌の色が濃い方は、白く抜けた跡がずっと残ることがあるため、勧めない場合があります。
Q. ケロイドにレーザー治療は効果がありますか?
A. ケロイドのレーザー治療は、傷あとの高さを下げ、赤みを薄くするために使われます。レーザーだけで終わらせるより、注射やシリコンシートと組み合わせて計画します。傷あとの色と厚みを先に見て、治療の順番を決めます。
Q. ケロイドがかゆくて痛いのは、よくあることですか?
A. ケロイドが大きくなっている間は、かゆみや痛みが出ることがあります。大きくならなくなると、痛みも通常はおさまります。まれに痛みが長く続くこともあるため、急に大きくなるときは早めに受診してください。
Q. ケロイド体質でも、ほかの肌の施術を受けてもいいですか?
A. ケロイド体質の方は、傷ができる施術を受ける前に、そのことを医師に伝えてください。ケロイドは傷ができた場所に数か月たってから現れることがあるため、施術する部位を決めるときに一緒に考えます。胸の上のほう、肩、耳、首は特にできやすい場所です。
Q. シリコンシートは、いつから貼り始めますか?
A. シリコンシートは、傷が完全にふさがり、かさぶたが取れてから貼り始めます。新しい傷のあとのケロイドを防ぐ目的なら、傷が治った時点から始めます。貼り始めたら、決めた期間は毎日続けましょう。









