【院長解説】シミとそばかす — 強く消そうとするほど濃くなる理由
シミとそばかすの決定的な違い、強く施術するほどかえって濃くなる色素が存在します。

シミとそばかす — 強く消そうとするほど濃くなる理由
先週の金曜日の夜、
久しぶりに会った友人が自分の頬骨あたりの色素を指差しながら、
「これ、レーザートーニングを5回受けたのに、
かえって濃くなった気がする」と言うんです。
隣にいた別の友人は
「私は1回でほくろ除去みたいにきれいに取れたけど?」と首をかしげていました。
同じ茶色い点に見えるのに、
なぜ消える人と、消そうとするほど濃くなる人がいるのでしょうか。
一言でまとめると。 シミはメラノサイトが過剰に活性化した慢性疾患で、
そばかすは色素が凝集した良性病変です。
判断の分かれ目。 一度に強く取るか、4週間隔で落ち着かせるか、ここが重要なポイントです。
今日のテーマ。 自分の色素がどちらのタイプか、どの施術を選ぶべきかを判断する基準をお伝えします。
シミとそばかす、具体的に何が違うの?
そばかすは色素が凝集した良性病変で、シミはメラノサイト自体が過剰に活性化した慢性疾患です。
そばかすとは、雀斑・老人性色素斑・日光性黒子などをまとめた総称です。
紫外線が蓄積することで、
表皮層のメラニンが点状に凝集した状態です。
一方、シミは単なる色素の塊ではありません。
メラニンを生成する細胞(メラノサイト)自体が
過剰に活性化している状態です。
ホルモン・紫外線・熱・微細炎症が
絶えず刺激を与え続けているため、
色素を取り除いてもまた生成し続ける構造になっています。
シミはなぜ強く施術するほど濃くなるの?
このようなケースが本当に多いので、詳しくお伝えしますね。
数日前にも友人がLINEで
写真を一枚送ってきて聞いてきました。
「近所のクリニックでシミと言われたから、
一度に強めのレーザーを当てたら、
1ヵ月後にかえって黒くなった。なぜ?」と。
これがシミ治療でもっともよくある落とし穴なのですが、
メラノサイトは刺激を受けると
防御反応としてさらに多くの色素を生成します。
強いエネルギーで一度に破壊すると、
細胞が「攻撃された」と認識して、
逆にメラニン産生を急激に増やすのです。
これを炎症後色素沈着(PIH)と呼びます。
そのため、シミ治療の正しいアプローチは
「取る」ではなく「落ち着かせる」ことです。
低エネルギーのレーザートーニングを4週間隔で
5〜10回積み重ね、メラノサイトの
活性度そのものを下げていく必要があります。
さらに、トラネキサム酸を
内服または微細注入で並行して使用します。
血管からメラノサイトへ伝わる
炎症シグナルを遮断する薬剤で、
3ヵ月以上継続して服用した場合、
再発率がほぼ半減するという
報告が多数蓄積されています。
ハイドロキノン4%外用剤も
メラニン合成酵素自体を抑制するため、
8〜12週間ほど夜間のみ塗布します。
ただし長期使用すると
逆に色素異常症が生じる可能性があるため、
使用を中断する休薬期間を設けることが必須です。
そばかすは表皮に留まった色素なので、一度で破壊すれば取り除けます。
シミはメラノサイトが生きて色素を作り続けている状態なので、刺激するほど増産されます。
薬でシグナルを遮断し、トーニングで落ち着かせる方向が正解です。
シミとそばかす、どの施術を選ぶべき?
わかりやすく表にまとめてみました。
もっとも危険なのは、
シミなのにそばかすだと思い込んで
強いレーザーを高出力で当てるケースです。
特に真皮型・混合型のシミは、
肉眼でそばかすと区別がつきにくいです。
色素の境界がぼんやりしていて、
両方の頬骨に左右対称に広がっているなら、
そばかすよりまずシミを疑うべきです。
シミ・そばかす、診察室でよく聞かれる質問3つ
Q1. シミかそばかすか、どうやって見分けるの?
A. これが患者さまにとってもっとも混乱しやすいポイントなのですが、
統計的に見ると、初めてご来院の方の7割は自分の色素を誤認していらっしゃいます。
シミを雀斑と思っていたり、老人性色素斑をシミと思っていたりするケースですね。
臨床上、両頬骨に左右対称に広がり境界がぼんやりしていればほぼシミで、
片側にくっきりとした点のように存在していればそばかすです。
正確な判断にはウッドランプやダーマスコープで深さまで確認する必要があります。
この答えを聞いてから、もう一つ気になることが出てくる方が多いんですよね。
Q2. レーザートーニングは何回受ければ効果が出るの?
A. 今週だけで3名の方から同じ質問がありました。
そのうちのお一人は、他院で3回受けても効果がないということでご来院されたのですが、
見てみると、施術間隔が2週間ごとだったんです。
メラノサイトが落ち着く時間を与えていなかったわけですね。
4週間隔で5回まではほとんど変化が見えにくく、6〜8回を超えたあたりからトーンが整ってくる方が多いです。
一度で終わるという期待は手放して、じっくり取り組む姿勢で臨まれるのがストレスなく過ごせるコツです。
そして最後に — これを知らないと後悔しますよ。
Q3. トーニング中は紫外線対策しなくても大丈夫?
A. 私も最初は施術さえしっかり受ければいいと思っていたのですが、
臨床経験を積むうちに、紫外線対策が施術そのものより重要だと実感しました。
トーニングで落ち着かせても、紫外線一度でメラノサイトが再び活性化してしまうんです。
日焼け止めを塗らずに過ごした方は再発率がおよそ2倍になるパターンがあるため、
私はSPF50以上を2〜3時間おきに重ね塗りするようお伝えしています。
色素に対するアプローチが強ければ良いのではなく、メラノサイトを刺激しない丁寧な手こそが、本当に良い手です。
次の記事では、トーニングの間隔をなぜ4週間に設定するのか、2週・3週ではなぜいけないのか、その回復サイクルについて詳しく解説します。同じ施術でも間隔で結果が大きく変わります。以上、ウィ・ヨンジンでした。









