【院長解説】シミレーザーの副作用|強く当てるほど濃くなる理由
シミレーザーの副作用は、色素が破壊される際に生じる炎症が原因です。強く当てるほど濃くなる「臨界値」と、2〜4週間隔が正解である理由を解説します。


シミレーザーの副作用、
強く当てるほど濃くなる理由
先週の木曜日、診察室に
40代後半の女性がいらっしゃいました。
別のクリニックで約1年間レーザートーニングを受けてこられたのですが、
「受けているときは少し薄くなる気がするのに、
1ヶ月経つとまた濃くなった感じがするんです」
とおっしゃっていました。
カルテを確認すると、2週間隔でほぼ休みなく
施術を受け続けてこられたケースでした。
一言で結論。
シミレーザーの副作用のほとんどは、
過剰なエネルギーと短すぎる施術間隔から来ています。
判断の分かれ目。
エネルギーの強さではなく、
施術間隔と累積刺激がカギです。
今回お伝えすること。
シミが濃くなってしまう臨界点と、
それを避けるための実際のプロトコルです。
この記事でわかること
シミレーザーがかえって
色素を濃くしてしまうメカニズム
妊娠性シミ・ホルモン性シミで
副作用が起きやすい理由
副作用が出た際のステップ別対処法と
長期管理プロトコル
シミレーザーの副作用、
本当に濃くなることがあるのですか?
はい、十分にあり得ます。
レーザーエネルギーがメラニン色素を破壊するのは確かですが、
その過程で真皮に
微細なダメージも同時に加わります。
このダメージが炎症反応につながると、
メラノサイトがかえってより活性化してしまうのです。
一般的にPIH(炎症後色素沈着)と
呼ばれる副作用ですね。
もともとあるシミの上に、さらに別の色素が重なってしまう状態です。
ですから「受ければ受けるほど良くなる」という考え方は、
シミにおいては当てはまらないケースが非常に多いのです。
なぜ強く当てるほど
シミが濃くなってしまうのでしょうか
「シミレーザーで色素を破壊する際、
皮膚へのダメージも同時に加わり、
そのダメージが炎症→メラニン増加という
悪循環を引き起こします。
強く当てるほど良くなるどころか、
かえって濃くなってしまう理由がここにあります。」
— ウィ・ヨンジン院長(ホンデ ビューティーストーン医院)
シミレーザーを頻繁に受けると早く薄くなるという話、
一度は耳にされたことがあるかもしれません。
でも実際には、逆のケースの方がずっと多いんですよ。
ポイントはメラノサイトの性質にあります。
シミを作るメラノサイトは、
通常のシミのメラノサイトよりもはるかに敏感です。
熱・紫外線・ホルモンといった刺激を
「脅威のシグナル」として受け取り、
防御反応としてさらに色素を生成してしまうのです。
つまり、1064nmのレーザートーニングを強いエネルギーで、
1〜2週間隔で頻繁に行うパターンは、
メラノサイトにとって
絶え間ない警戒状態と同じです。
色素を破壊する量よりも、
新たに生成される量の方が多くなる段階が訪れてしまいます。
今日の診察でも、似たような方がいらっしゃいました。
両頬骨の上にできたシミを10年以上
管理し続けてこられた46歳の方でした。
別のクリニックでレーザートーニングを30回以上受けてこられたにもかかわらず、
かえって色がグレーがかった茶色に
濃くなった状態でご来院されました。
カウンセリングの末、「1ヶ月ほどすべての施術をお休みして、
まず経過を観察しましょう」とお伝えし、
その日は判断を保留してお帰りになりました。
私としても、すぐに来週から始めましょうとは
お勧めしにくい状態だったのです。
5年間シミのみと向き合い調整してきた結論は、
エネルギーを下げて間隔を広げることが
正解に近いということです。
以前は1〜2週間隔を推奨していましたが、
今は2〜4週間隔を基本としています。
反応が鈍い場合、エネルギーを上げるのではなく、
「休む必要があるサイン」として読み取るべきです。
ウィ・ヨンジン院長のポイントまとめ
シミは色素を「壊す」ゲームではなく、
メラノサイトを「鎮静させる」ゲームです。
妊娠性・ホルモン性シミであるほど、その傾向は強まります。
エネルギーを1段階下げて
間隔を1週間延ばす方が、
回数を増やすよりも良い結果につながります。
妊娠性シミの
長期管理はどう違うのですか?
ホルモン性シミは、施術よりも
生活環境の管理が先決です。
妊娠・ピル・更年期の変化をきっかけに生じたシミは、
メラノサイトがすでに
「過敏な状態にセットされている」のです。
同じ紫外線を浴びても、
他の方より早く濃くなってしまいます。
このケースでは、レーザートーニング単独で進めると
かえって副作用の発生率が高くなります。
私は通常、トラネキサム酸の内服、2〜4週間隔のレーザートーニング、
そして回復系の施術をセットで組み合わせて進めます。
副作用のタイプ | 頻度 | 対処法 |
リバウンド色素沈着 | 頻回施術群でよく見られる | 4〜8週の休止+抗炎症ケア |
炎症後色素沈着(PIH) | 濃い肌色・高エネルギー時に増加 | エネルギー低下+内服薬の併用 |
白斑様脱色 | 累積100回以上で報告あり | 施術中止、紫外線対策の徹底 |
紅斑・ほてりの持続 | 敏感肌でよく見られる | 鎮静ケア+施術間隔の延長 |
対処の出発点はほぼすべて、
「休むこと」と「エネルギーを下げること」です。
施術頻度を上げることではありません。
シミレーザーの副作用
よくあるご質問3つ
Q1. レーザートーニングを受けたら1週間後にかえって濃くなりました。
次の施術を早めに受ければ大丈夫ですか?
早めに受けるのはお勧めできません。
それはリバウンド色素沈着のサインです。
このようなケースには、
必ず4〜6週はお休みするようお伝えしています。
Q2. では、一体何回受ければ
効果が出るのですか?
回数で決まった答えはありません。
4〜6回受けても変化が乏しい場合は、
設定を見直す必要があります。
回数を重ねるよりも、最初の4回の反応を見て
方向性を変える方が、結果への近道です。
Q3. シミレーザーを受けると
白斑のように白く抜けることもありますか?
頻度は低いですが、0%ではありません。
累積100回を超えた
一部のケースで観察されています。
ほとんどの場合、短い間隔で繰り返し施術を受けてこられた方に現れる傾向があります。
シミとの戦いは色素を壊すことではなく、
メラノサイトを刺激しない環境を
いかに長く維持できるかにかかっています。
次の記事では、
「シミレーザー、ではいつ休んで
いつ再開すべきか」
そのタイミングの判断法を詳しく解説します。
反応が鈍くなってきたことがサインである場合、
本当に必要な休止期間が別にあります。
以上、ウィ・ヨンジンでした。









