フィラー注入でたるみが悪化?原因と正しい対処法を解説
フィラー注入後にたるみが悪化するのは、量ではなく入る層の深さが関わっていることがほとんどです。本記事では、そのメカニズムと血管閉塞のサイン、正しい対処法をまとめました。

最終更新:2026年7月
フィラーを注入したのに、数ヶ月後に頬まわりがかえって重たく、たるんで見える気がする——そんな違和感を覚えた経験はありませんか。
実は、フィラーでたるみが悪化するとすれば、それは量が多すぎたからというより、フィラーが顔のどの層に入ったかという深さの問題であることがほとんどです。
本記事では、フィラー注入後にたるみが悪化する仕組みと、見逃せない血管閉塞のサイン、たるみに気づいたときの正しい対処法について詳しく解説します。
フィラー注入でたるみが悪化する本当の原因
ここでは、フィラーを入れたのにかえってたるんで見えてしまう理由を整理します。フィラーはヒアルロン酸などの成分でボリュームを補う施術ですが、仕上がりは量そのものより、どの層に入ったかという深さに大きく左右されます。
顔は、SMAS層という筋膜の上に皮膚と脂肪が重なり、支持靭帯(リテイニングリガメント)によって骨側に吊り下げられるような構造をしています。この靭帯の付着部に近い、骨膜に近い深い層——いわゆるMDコード(MD Codes)のポイント——に少量を的確に入れると、支持構造を補強する形になり、引き上げる力として働きます。
反対に、頬骨(きょうこつ)の外側や頬の中央など、靭帯から離れた皮下脂肪層に多めのフィラーが入ると、そのボリューム自体が重みとなり、時間をかけて重力の方向へ引っぱられていきます。同じ1ccでも、入る層によって結果がまったく違う方向に働くという点がポイントです。
| 入る層 | 靭帯との位置関係 | 起こりやすい変化 |
|---|---|---|
| 骨膜に近い深い層(MDコードのポイントなど) | 靭帯の付着部に近い | 支持構造を補強し、引き上げる力になりやすい |
| 頬骨外側・頬中央の皮下脂肪層 | 靭帯から離れている | ボリュームが重みとなり、たるみにつながりやすい |

頬まわりに多い「重みでたるむ」ケース
実際にどのようなケースで、この重みによるたるみが起こりやすいのでしょうか。臨床の現場でよく見られるのが、次のようなパターンです。
他院で頬骨の両側にまとまった量のフィラーを注入し、施術直後は満足していたものの、3ヶ月ほど経ったころから頬に重さを感じ始め、4〜5ヶ月目にはほうれい線がむしろ深くなったように感じる、という相談は少なくありません。超音波で確認すると、フィラーが靭帯から離れた頬骨外側の皮下層に広く広がっているケースが多く見られます。支持点ではなく、単に吊り下げられた重みになってしまっている状態です。
こうしたケースでは、ヒアルロニダーゼで一部を分解したうえで、骨膜に近い層へ0.4cc程度を入れ直すと、2週間ほどでラインが整うことがあります。想像以上に早く変化を感じる方も多く、量を足すことよりも層を入れ替えることのほうが仕上がりを左右するとわかる例です。

たるみより急ぐべきサイン、血管閉塞のリスク
フィラー注入で最も注意すべきリスクは、たるみよりも血管閉塞です。ここでは、そのサインと対処の流れを整理します。
血管閉塞とは、フィラーが動脈の中に直接入ってしまったり、血管を強く圧迫してしまうことで血流が滞ってしまう状態を指します。報告によれば頻度は0.05〜0.1%程度とされ高くはありませんが、起きた場合は時間との勝負になります。
| 反応 | 目安となる頻度 |
|---|---|
| 内出血・腫れ | ほぼすべての方に一時的にみられます |
| しこり(結節) | 1〜5%程度とされています |
| 血管閉塞 | 0.05〜0.1%程度とされています |
早期のサインとしては、施術直後から数時間以内に片側だけ皮膚が異常に白っぽくなる、注入部位から離れた場所まで網目状の斑模様(リベド)が広がる、痛みがどんどん強くなる、といった変化が挙げられます。こうしたサインが確認された場合、6時間以内にヒアルロニダーゼを十分量投与することが、組織の壊死を防ぐ鍵になるとされています。
実際に、施術中に鼻の脇が急に白く変化し、網目状の斑模様が確認されたケースでは、その場で施術を中断してヒアルロニダーゼ750単位を分割投与し、温罨法とマッサージを併用したところ、2時間ほどで色が戻り、その後72時間の経過観察でも再閉塞のサインは見られなかった、という例があります。施術後24時間は、鏡でこまめに色味を確認し、片側だけ痛みが強くなっていないか、新しい斑模様が出ていないかをチェックしておきましょう。

たるみに気づいたとき、分解から整え直しまでの流れ
頬のたるみに気づいた場合、どのような順番で整えていくのがよいのでしょうか。まずヒアルロニダーゼで既存のフィラーを分解します。量そのものはおおむね1〜2回の分解でほぼ抜けることが多いとされています。
ただし、6ヶ月以上重みで引っぱられていた組織は、支持靭帯がわずかに伸びた状態になっているため、分解後もわずかなたるみ感が残る場合があります。そのため、分解から4〜6週間ほど間隔を空けたうえで、骨膜に近い深い層へ少量を配置し直し、必要に応じて高周波(RF)によるSMASタイトニングを組み合わせることもあります。
この流れを踏むと、多くの方が満足できるラインまで戻るとされていますが、仕上がりの感じ方や戻り方には個人差があります。気になる変化があれば、自己判断で放置せず、早めに施術を受けたクリニックへ相談することをおすすめします。
後悔しないために、施術前に確認したいポイント
たるみや血管閉塞のリスクを減らすために、施術前にできることを整理しておきましょう。フィラーは量よりも、どの層にどれくらいの量を入れるかという設計が仕上がりを左右します。1ヶ所に1ccを超える量をまとめて入れるより、0.3〜0.5cc程度に分けて骨膜に近い層へ配置する方法のほうが、たるみにつながりにくいとされています。
カウンセリングの際は、次のようなポイントを確認しておくと安心です。
- 注入予定の層(皮下脂肪層か、骨膜に近い深い層か)
- 1回・1ヶ所あたりの注入量の目安
- 血管の走行をどのように確認しているか
- 万が一の血管閉塞に備えた対応体制(ヒアルロニダーゼの常備など)
解剖学的な構造を踏まえて説明してくれるかどうかは、施術者を選ぶ際の目安の一つになります。
まとめ
フィラー注入後のたるみは、量そのものよりも、どの層に入ったかという深さによって左右されます。靭帯から離れた皮下脂肪層に多めに入ると重みでたるみやすく、骨膜に近い深い層に的確に入れると支持構造を補強する力として働きます。
ただし、頻度は高くないものの血管閉塞のような急を要するリスクもあるため、施術後の変化には注意を払い、気になるサインがあれば早めに医師へ相談することが大切です。過度に不安になる必要はありませんが、量と層の設計、そして万が一への対応体制を、施術前にしっかり確認しておきましょう。
ソウル・合井(ハプチョン)のBeautyStoneクリニックでは、LINEでのご相談を承っています。「フィラーを入れたのにたるんで見える気がする」と感じている方は、お気軽にご相談ください。
よくある質問
Q1. フィラーを受けると必ずたるみますか?受けない方がいいですか?
必ずたるむわけではありません。たるみは量やフィラーの入る層次第で決まる結果であり、施術そのものの性質ではありません。実際、1ヶ所に2cc以上をまとめて入れたケースでたるみが集中してみられます。1ヶ所あたりの量を1ccより少なく抑え、骨膜に近い層に分けて入れることで、たるみを目立たせずに1〜2年ほど保たれることもあるとされています。受けるかどうかより、量と層の設計を確認することが大切です。
Q2. 血管閉塞のようなリスクは、実際どれくらいの頻度で起こりますか?
報告によると、内出血や腫れはほぼすべての方に一時的に見られる一方、しこり(結節)は1〜5%程度、血管閉塞は0.05〜0.1%程度とされています。頻度としては高くありませんが、起きた場合は数時間以内の対応が重要になるため、リスクをゼロと考えず、施術後の変化に注意を払うことが勧められます。
Q3. たるんでしまったフィラーを分解すれば、元の状態に戻りますか?
ヒアルロニダーゼによる分解で、量そのものはおおむね1〜2回でほぼ抜けることが多いとされています。ただし、長期間重みで引っぱられていた組織は支持靭帯がわずかに伸びた状態になっているため、分解後もわずかなたるみ感が残る場合があります。分解から4〜6週間ほど空けて少量を深い層に配置し直すことで、多くの方が満足できるラインに近づけるとされています。
Q4. 施術後、自分でどんなサインに注意すればいいですか?
施術後24時間は、鏡で色味が均一かどうか、片側だけ痛みが強くなっていないか、注入部位から離れた場所に網目状の斑模様が新たに出ていないかを確認しましょう。これらのサインが見られた場合は、自己判断で様子を見ず、速やかに施術を受けたクリニックへご連絡ください。









