ほうれい線と頬のたるみ、短い糸リフトで自然に上がる?
短い糸リフトは、顔全体を強く引き上げるというより、ほうれい線や下がってきた中顔面を局所的に支える施術です。長いコグ糸との役割の違いや、ご自身の肌状態に向いているかの見極めまで解説します。

鏡を見たとき、笑っていないのに口もとから頬にかけての線が定着し、頬の下あたりが少し下がってきたように感じることはありませんか。ほうれい線が気になって「糸リフト」を調べると、顔を横へ強く引き上げるような画像が出てきて、少し身構えてしまう方もいらっしゃいます。
一方で最近は、短い糸を数本だけ使い、ほうれい線の周りと下がってきた頬を部分的に支える方法もよく取り上げられています。セルフケアやスキンケアだけでは、いったん下がった組織の位置まで戻すのは難しいとされており、こうした部分的なアプローチが選ばれることがあります。
本記事では、短い糸リフトがほうれい線や中顔面のたるみにどう働きかけるのか、長いコグ糸との役割の違い、そしてご自身の肌状態に向いているかを見極めるポイントまで、順を追って解説します。
ほうれい線と中顔面のたるみは、なぜ一緒に下がるのか
ほうれい線を、単に口もとに折り込まれたシワとだけ捉えると、原因の方向を見誤りやすくなります。この線は、もともと頬にあった脂肪が年齢とともに下へ移動し、鼻の横で一度折り返すようにして溝として定着していくケースが多いと考えられています。つまりほうれい線と、頬の下側で下がってきた部分、いわゆる中顔面のたるみは、別々に起きているのではなく、一つの流れとしてつながっています。
支える構造が少しずつゆるみ、脂肪が下へ移動すると、この二つは同時に目立ちやすくなります。そのため、ほうれい線の溝だけをフィラーで埋めても、上側の頬の下がりが残っていると、どこか不自然に感じられることがあります。下垂という流れそのものが上から下へ向かっているため、埋めるだけでは、へこみは補えても下がった流れは残りやすいのです。
短い糸リフトがこの部分でよく取り上げられるのは、下がってきた組織を本来の位置へ向けて軽く支え直す、という考え方だからです。ほうれい線と中顔面を、同じ流れの中で一緒に捉えようとするアプローチといえます。

短い糸と長いコグ糸は、役割がどう違うのか
糸リフトといっても、すべて同じ糸を使うわけではありません。大きく分けると、顔の横側の深い層まで長く挿入して広い範囲を引き上げる長いコグ糸と、ほうれい線の周りや前頬など特定の場所に短く入れて局所的に支える短い糸があります。
短い糸は、皮膚のすぐ下の浅い層に複数本を細かく入れる方法が多く用いられます。強く引き上げるというより、下がる方向を整えつつ、その周囲にコラーゲンが生成されるよう働きかける点に重きが置かれています。一方で長いコグ糸については、糸の表面の小さなトゲが頬の脂肪やSMAS層を引っかけ、中顔面を引き上げてほうれい線の溝を浅くしたと報告した研究もあります。同じ場所を扱っても、引き上げる強さと範囲が異なります。
この二つは互いの代わりというより、たるみの深さと範囲に応じて使い分ける道具に近いと考えられています。役割の違いを整理すると、次のようになります。
| 比較 | 短い糸(ショートスレッド) | 長いコグ糸 |
|---|---|---|
| 主な役割 | 局所を支え、コラーゲンを刺激 | 広い範囲を引き上げる |
| 入れる深さ・範囲 | 浅い層に複数本、局所的 | 深い層まで長く、広く |
| 向いている状態 | 初期のほうれい線・前頬のたるみ | 頬や輪郭のはっきりした下がり |
| 仕上がりの印象 | 自然に支える | 引き上げる変化 |

短い糸リフトが向いているのは、どんな人か
記事の最初でお伝えしたように、短い糸は顔全体を引き上げる施術ではなく、局所的に支える方向のものです。そのため、たるみが始まったばかりの段階の方や、ほうれい線の上にある前頬が少しこけて下がってきた程度の方であれば、短い糸だけでも自然に整うことがあります。
反対に、頬から輪郭(フェイスライン)まで重さを伴って下がっている状態では、短い糸だけでは物足りなく感じられる場合があります。このようなときは、長いコグ糸やほかのリフト治療を組み合わせて検討するほうが合っていることもあります。もう一つ知っておきたいのは、吸収性の糸は時間とともに分解され、初期の引き上げ効果が少しずつ弱まっていくと報告されている点です。一度で長く保つと期待するより、コラーゲンへの働きかけも含めて経過を見ながら、次のタイミングを決める施術として捉えるとよいでしょう。効果の持続はおおむね1〜3年程度とされることが多いものの、糸の素材や個人差によって幅があります。
次のような場合は、施術を控えたり、先に相談したりするほうが安全です。
- 妊娠中・授乳中の方
- 施術部位に活動性の炎症や感染がある方
- ケロイド体質で、傷が治りにくい方
当てはまる場合は、施術が可能かどうかや適したタイミングも含め、医師と相談したうえで決めてください。
リスク・ダウンタイムと回復の流れ
短い糸リフトは、麻酔クリームや局所麻酔をしたうえで進めるのが一般的です。細い針やカニューレで、あらかじめ印をつけた方向に沿って糸を入れ、糸が組織を引っかけた状態で位置を整えるため、施術そのものは比較的短時間で済むことが多いとされています。麻酔をして進めるので、施術中の痛みの負担は大きくない場合がほとんどですが、感じ方には個人差があります。
施術の直後は、少し引っぱられるような感覚や、腫れ、内出血が生じる場合がありますが、多くは数日かけて落ち着いていきます。ただし治まる速さには個人差があり、長引く場合や気になる変化があるときは、早めに医師へご相談ください。吸収性の糸で起こりうるトラブルは、多くが軽度で回復しやすいと報告した研究もありますが、リスクがゼロというわけではないため、経過の観察は大切です。
回復の初めのうちは、大きく笑ったり口を大きく開けたりする動作や、施術部位を強く押すマッサージは、しばらく控えるようにしましょう。ご自身の状態に合わせた注意点は、施術した医師から個別に案内されますので、その指示に沿ってケアを続けてください。

まとめ
ここまで、短い糸リフトがほうれい線や中顔面のたるみを局所的に支える考え方と、広い範囲を引き上げる長いコグ糸との違い、そして向いている肌状態の見極め方についてお伝えしました。短い糸は、強く引き上げるというより、下がってきた組織をそっと支え直し、コラーゲンへの働きかけを促す方向の施術です。
ただし、糸リフトには腫れや内出血などのダウンタイムやリスクも伴い、効果の続き方にも個人差があります。ご自身の肌状態やたるみの程度を理解したうえで、医師と相談して決めることが大切です。
ソウル・合井(ハプチョン)のBeautyStone(ビューティーストーン)は、皮膚科医が一人ひとりの頬の下がり方を診たうえで、糸の本数や方向を一緒に決めていく小さなクリニックです。「ほうれい線と頬のたるみが気になる」という方は、LINEでのご相談を承っていますので、お気軽にご相談ください。









