エランセはなぜ2年以上続く?PCLコラーゲン誘導の仕組みを解説
エランセが一般的なHAフィラーより長く効果を保つのは、注入直後のボリューム効果に加えて、体内で自分自身のコラーゲン生成を促す仕組みがあるためです。

「エランセを検討しているけれど、ヒアルロン酸(HA)フィラーよりなぜ長持ちするのか分からない」という方は少なくないのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、エランセは体内で自分自身のコラーゲンを新しく作らせる「コラーゲンブースター」というカテゴリーに属しており、時間とともに吸収されて消えていくHAフィラーとは仕組みが根本的に異なります。本記事では、エランセが長期間効果を保てる理由と、施術前に知っておきたいポイントについて詳しく解説します。
エランセとは?PCLコラーゲンブースターの位置づけ
エランセ(Ellansé)は、PCL(ポリカプロラクトン)という素材を微小な球状粒子(マイクロスフィア)にし、キャリアゲルに包んで注入するフィラーです。HAフィラーのようにその場でボリュームを作りながら、時間の経過とともに自分自身のコラーゲン生成を促す点が特徴です。
つまりエランセには、二つの働きが同時に含まれています。
- 注入直後——キャリアゲルによる即時のボリュームアップ
- 数か月後以降——PCLの分解にともなうコラーゲン産生の促進
この二段構えの働きが、エランセ特有の持続力を生み出しています。
PCL(ポリカプロラクトン)*: 医療用の吸収性縫合糸にも使われてきた、安全性が確認された生体吸収性ポリマーです。分解される過程で、自分自身のコラーゲン生成を促す作用があるとされています。

なぜ2年以上続くのか——PCL分解とコラーゲン誘導の仕組み
エランセが長期間効果を保てる理由は、二段階のメカニズムで説明できます。
| 段階 | 時期 | 働き |
|---|---|---|
| 第1段階——キャリアゲルの効果 | 施術直後〜3か月ほど | 即時のボリューム形成。徐々に吸収 |
| 第2段階——PCLによるコラーゲン刺激 | 3か月〜24か月ほど | PCLの分解と自分自身のコラーゲン産生が積み重なる |
| 分解完了 | 製剤により12〜36か月ほど | PCLが完全に吸収され、自分自身のコラーゲンだけが残る |
キャリアゲルが吸収されるとボリュームが減っていくように思われがちですが、ちょうどそのタイミングで自分自身のコラーゲンが新しく満たされていくため、体積が維持される仕組みです。一度注入した分がそのまま吸収されて消えていくHAフィラーとは、ここが大きく異なります。
また、エランセには製剤(S・M・L・E)ごとにPCL粒子の大きさが異なり、持続期間も設計段階で差が付けられています。個人差はありますが、通常は部位や自分自身のコラーゲンを作る力によって、同じ製剤でも実感の幅が変わることがあります。

HAフィラーとの違い——即時効果と持続力のギャップ
エランセとHAフィラーは、よく比較の対象になります。違いを整理すると以下の通りです。
| 項目 | HAフィラー | エランセ |
|---|---|---|
| 成分 | ヒアルロン酸 | PCL+キャリアゲル |
| 即時効果 | あり | あり |
| 持続期間の目安 | 半年〜1年ほど | 製剤により1〜4年ほど |
| コラーゲン刺激 | 弱め | 強め |
| 吸収後 | ボリュームが消える | 自分自身のコラーゲンで維持される |
| 修正・溶解 | ヒアルロニダーゼで可能 | 自然分解を待つ必要あり |
中でも特に重要な違いは、「溶かせない」という点です。HAフィラーはトラブルが起きた場合ヒアルロニダーゼで速やかに溶かすことができますが、エランセはPCLが自然に分解されるまで待つ必要があります。だからこそ、施術を受ける医師選びと事前カウンセリングがより重要になります。

施術前に確認したいリスクと注意点
エランセはすべての方に向いている施術ではありません。以下に該当する場合は、事前に医師へ相談することが大切です。
- 妊娠中・授乳中の方(安全性データが十分ではありません)
- 施術予定部位に活動性の炎症やニキビがある方
- ケロイド体質の方(しこりのリスクが高まります)
- 自己免疫疾患がある方(施術への反応が読みにくいことがあります)
- 抗凝固薬を服用中の方(内出血や腫れのリスクがあります)
- 顔全体の大きなボリューム変化を希望する方(HAフィラーとの併用が向いていることがあります)
特に事前に医師へ伝えておきたいケース
- 過去にコラーゲンブースター施術で副作用を経験したことがある
- 施術予定の部位に永久的なフィラー(シリコンなど)を注入したことがある
- PCLやキャリアゲルの成分にアレルギーの疑いがある
赤みや腫れが生じる場合がありますが、数日から1週間程度で落ち着くことがほとんどです。症状が長引く場合は、速やかに医師へご相談ください。
まとめ
エランセは、注入直後のボリューム効果と、PCLの分解にともなうコラーゲン産生という二つの働きを併せ持つコラーゲンブースターです。製剤によって1〜4年ほど持続するとされていますが、個人差はありますが、通常は代謝や部位によって実感の幅が変わります。
ただし、HAフィラーのように溶かして調整することができないため、施術前のカウンセリングと医師選びがいつも以上に大切です。ご自身の肌状態や希望を医師と相談したうえで、納得してから施術を検討することをおすすめします。
ソウル・合井のBeautyStoneクリニックでは、LINEでのご相談を承っています。エランセの持続力や自分に合う製剤について迷っている方は、お気軽にご相談ください。
よくある質問
Q1. エランセは本当に1回で2〜4年持ちますか?
製剤(M=2年、L=3年、E=4年)によって、一般的にはその程度持続すると報告されることが多いです。ただし、代謝の速さや部位の動き、コラーゲンを作る力によって幅があり、同じ製剤でも1年ほどで効果が弱まる方もいれば、より長く続く方もいます。
Q2. 副作用が起きたときはどうすればいいですか?
HAフィラーのようにすぐ溶かせる薬剤(ヒアルロニダーゼ)は、PCLには効きません。しこりや過度なボリューム、左右差などが起きた場合は、自然分解を待つ(数か月〜1年以上)か、医療的な処置が必要になることがあります。そのため、最初の施術は少なめの量から始めるのが一般的な考え方です。
Q3. 施術中や施術後の痛み・ダウンタイムはどれくらいですか?
施術当日は針を刺す際にチクッとした痛みを感じることがありますが、麻酔クリームなどで和らげることが可能です。赤みや腫れは数日から1週間程度で落ち着くことがほとんどです。個人差はありますが、通常の生活に大きな支障が出ることは少ないとされています。
Q4. HAフィラーと一緒に受けることはできますか?
併用されるケースもあります。エランセで深い層のコラーゲンを刺激しながら、HAフィラーで浅い層の即時的なボリュームを整える方法です。ただし、施術のタイミングや部位、量の判断には医師の診察が必要です。両方受ける前に、事前カウンセリングを十分に受けてから決めることをおすすめします。











