【院長解説】532nmレーザー、なぜそばかすに最適な波長なのか?
532nmレーザーはメラニン吸光度が低いのに、なぜそばかすに最優先なのか。赤い血管・タトゥー、深度の限界まで徹底解説。


532nmレーザー、
吸光度が低いのにそばかすに最優先な理由
先週の水曜日、診察室にお友達と一緒にいらっしゃった
30代後半の女性の患者さんがおられました。
最初はお友達のカウンセリングを横で聞いていらっしゃったのですが、
「先生、私は頬骨の上に細かいシミがたくさんあるんですが、
トーニングを受けたら取れると聞いたんですけど」
とおっしゃいました。
「でも他のクリニックでは1064でのトーニングしか勧めてくれなくて、
532はなぜやらないのかと言われるのか」
とご質問されました。
一言で結論。
532nmは表皮のそばかす・老人性色素斑・赤い血管に
最も適した波長です。
判断基準はここ。
色素が表皮にあるか真皮にあるか —
深さがすべてを決めます。
今回のポイント。
同じシミでも532と1064が使い分けられる根拠。
この記事でわかること
532nmがどのような色に反応するか
吸光度が低いのに表皮のシミに最優先とされる理由
深いシミにはなぜ1064に切り替える必要があるか
532nmレーザーは
どのような色に反応するのですか?
緑色の可視光線であり、
赤と黒に最もよく吸収されます。
532nmは1064nmを半分の波長に変換した
可視光の緑色レーザーです。
光自体が緑色であるということは、補色である赤系の色を
最もよく吸収するということです。
そのため、ターゲットは大きく二つに分かれます。
一つは表皮のメラニン —
そばかす、老人性色素斑(検버섯)、小さなシミ。
もう一つはヘモグロビンと赤いインク —
毛細血管拡張、赤いタトゥー。
1064nmは赤外線なので目には見えず、
メラニン吸光度は低い分、深く届きます。
そのため、真皮の色素・深いタトゥーに適しています。

532nmが表皮のシミに
最も適している理由
この記事の核心ポイント
532nmは表皮の底部にあるそばかす・老人性色素斑に
最も正確な波長です。
深くアプローチしたい場合はチップを大きくすればよく、
特に赤い血管・タトゥーには
1064よりも優先されます。
この記事をご覧の方の多くは、
「532nmはメラニン吸光度が1064よりずっと高いのに、
なぜ1064のトーニングだけ勧めるのか?」
という疑問をお持ちではないでしょうか。
答えは「深さ」にあります。
532nmは波長が短いため、皮膚への浸透深度が
約0.1〜0.5mm程度にとどまります。
表皮の底部でほとんど吸収されて止まります。
ところが、そばかす・老人性色素斑・細かいシミ —
これらの色素が存在する部位が、まさにそこなのです。
表皮の底部(基底層)。
つまり「吸光度が高い+深度が浅い」というのは
デメリットではなく、
表皮の色素に対してむしろ最も精確な組み合わせなのです。
逆に、真皮層まで達した肝斑やタトゥーは
532nmでは対応できません。光がそこまで届かないからです。
先ほどご紹介した38歳の女性の方は
1064トーニングを5回受けても変化がないとのことでしたが、
拡大してみると
表皮にはっきりと沈着した老人性色素斑のパターンでした。
このようなケースには、1064トーニングよりも532nmのスポット照射で
一点一点丁寧にアプローチするのが最善です。
また、チップサイズを大きくすると、同じ532nmでも
ビームが散乱して真皮まで届くようになります。
この調整によって、治療範囲を広げることができます。
ウィ・ヨンジン院長の重要ポイントまとめ
532nmは光が表皮で止まりますが、
それが表皮のシミに対しては
「精確性」という強みになります。
ただし、真皮深部の色素には
1064nmに切り替える必要があります。
![[ホンデ ビューティーストーン医院] そばかす・老人性色素斑に最適な波長、532nmレーザーを正しく知って受ける](https://wazsqvuzlsxxykdisytt.supabase.co/storage/v1/object/public/blog-images/uploads/1778578300785-2u6cts79.webp)
深度の限界を補う方法と適応症
ターゲット | 部位 | 推奨波長 |
そばかす・老人性色素斑 | 表皮底部 | 532nm スポット |
赤い毛細血管 | 乳頭真皮 | 532nm |
赤いタトゥー | 真皮 | 532nm 優先 |
肝斑 | 表皮〜真皮境界 | 1064 トーニング+デュアル |
太田母斑・深いタトゥー | 真皮中下部 | 1064nm または 755nm |
特に赤いタトゥーには
1064nmではなく532nmが正解です。
赤色は緑の光(532nm)を吸収しますが、
赤外線(1064nm)はほぼ透過してしまうからです。

532nmレーザーのよくある質問 3つ
Q1. 1回受ければそばかすはすべて消えますか?
A. 表皮の厚みや色素の濃度は個人差があるため、
通常は2〜3回アプローチしてようやく整うパターンです。
7割程度の方は繰り返しの施術が必要です。
Q2. 赤いタトゥーには
1064nmのほうが良いのではないですか?
A. いいえ。赤いタトゥーには必ず532nmです。
1064nmは赤いインクを吸収できず
透過してしまうため、
出力をいくら上げてもインクが破壊されません。
Q3. かさぶたは何日続きますか?
A. スポット照射の場合、通常5〜7日間は
小さなかさぶたができます。
一時的な色素沈着(PIH)が
1〜2ヶ月続くことがありますので、
大切なご予定がある場合は最低2週間は余裕を持たせてください。
結局、波長を選ぶ際には色素が
どの深さに存在しているかをまず確認することが大切です。
次の記事では
「表皮のシミが消えた後に再び現れるケース」について
詳しくお話しします。
ウィ・ヨンジンでした。











