フィラーとリフティングの違いは?頬こけとたるみが両方ある時の選び方
頬にヒアルロン酸を入れた3D研究では、ほうれい線側の皮膚が引っ張られる変化は確認されませんでした。頬こけとたるみが混ざった顔で、フィラーとリフティングを比べる基準と注意点を解説します。
頬こけとたるみが重なっていると、フィラーとリフティングのどちらか一方だけでは、もう一方の変化が残りやすくなります。フィラーは減ったボリュームを足し、リフティングはゆるんだ組織を扱うためです。まずは、いまフェイスラインをよりぼやけさせている側を見分けます。
この記事の要点
- 頬にヒアルロン酸を入れた3D研究では、ほうれい線側の皮膚が引っ張られる変化は確認されませんでした。
- 判断の目安:たるんで見えても、深い層のボリュームが減ったことによるものか先に確認します。
- フィラーは形を保つ力や広がり方が製品ごとに違うため、製品の性質もあわせて確認します。
頬こけとたるみ、鏡ではどう違って見える?
頬こけはくぼんだ部分に影ができる形で、たるみは組織が下がって輪郭の境目が重く見える形で現れます。ただ、この二つはいつも別々に起こるわけではありません。
顔の層ごとの老化をまとめた総説では、頬の深い層の脂肪が減ると、前に出ていた頬が平らになると整理しています。その上の浅い脂肪が支えを失って垂れて見えることが、主な理由と考えられています。ただし、深い層の脂肪は年齢を重ねても比較的保たれるという最近の見方もあります。
つまり、たるみに見える部分にボリュームの減少が混ざっていることもあります。正面で上から光が当たったときの影の位置と、横顔であごの境目が下がった形を別々に撮っておくと、相談で伝えやすくなります。どちらなのかは、触れたり表情をつくったりして見る診察で確かめます。

頬にヒアルロン酸を入れると、ほうれい線側の皮膚も引き上がる?
頬への注入だけを調べた研究では、ほうれい線側の皮膚が上に引っ張られる変化は確認されませんでした。77人の頬にヒアルロン酸フィラーを入れ、前後を3Dカメラで撮影した研究です。表情が同じだった37人の比較で、注入部分とほうれい線のあいだの皮膚が引き上がる変化は見られませんでした。ほうれい線の写真でも差はありませんでした。ほかの部位やリフティングと比べた研究ではありません。
一方、先ほどの総説には、頬の内側にある浅い区画、こめかみの浅い層の脂肪、こめかみの外側から頬へつながる脂肪を満たしたあと、中顔面や顔の下半分の皮膚が持ち上がる方向に動いたとする報告がまとめられています。ただし、こめかみの浅い層に入れた場合は条件つきです。注入の方法や量、皮膚のたるみの程度によって、この動きが消えることがあります。

リフティングだけで、頬こけもふっくらする?
リフティングはゆるんだ組織を扱う施術で、減ったボリュームの分だけ素材を足すものではありません。
| フェイスラインをぼやけさせている主な変化 | フィラーだけの場合 | リフティングだけの場合 | カウンセリングで先に見ること |
|---|---|---|---|
| ボリュームが減って影ができている | 減った部分にボリュームが足される | くぼんだ部分は残ることがある | どの深さのボリュームが減ったか |
| 組織がゆるんで下がっている | ボリュームを補うだけでは解決しないことがある | ゆるんだ組織を扱う方法。範囲はカウンセリングで確認 | ゆるんだ範囲と皮膚の厚み |
| 両方が混ざっている | たるみは残ることがある | 頬こけは残ることがある | どちらがより大きく見えるか |
表の最後の行に近い顔なら、片方だけで何が残るかを知ったうえで、残る側をあとで扱うか、最初から一緒に計画するかを相談します。

同じヒアルロン酸でも、製品の性質を聞いたほうがいいのはなぜ?
同じヒアルロン酸フィラーでも、架橋の程度、濃度、粒子の大きさで、形を保つ力と広がり方が変わります。弾性と凝集性がどちらも高い製品は、押されても注入した場所の形を保とうとします。まとまりにくい柔らかい製品は、周りの組織へより広がります。
*架橋:ヒアルロン酸の分子どうしをつなぎ合わせることです。
*弾性:押されたり伸ばされたりしたあと、元の形に戻ろうとする性質です。
*凝集性:素材どうしがまとまっていようとする性質です。
深い層で支えをつくるのか、浅い部分をなめらかにするのかで、合う製品は変わります。以前のフィラーが残っていれば性質の違う製品が同じ場所に重なることもあるため、前回の製品名が分かると判断しやすくなります。
総説では、深い層で持ち上げる用途に弾性と凝集性が中程度以上の製品をあてています。これは深い位置で輪郭を立てる意味で、ゆるんだ組織を扱うリフティングとは別の方法です。

フィラーのリスクは?延期したほうがいい人、すぐ受診が必要なサイン
次に当てはまる場合は施術前に医師へ伝え、必要なら延期することをおすすめします。
- 注入する部分に、ニキビや発疹、じんましんなどの炎症・感染があるとき(治ってからに延期します)
- 出血が止まりにくい病気があるとき
- 重いアレルギー反応やアナフィラキシーを起こしたことがあるとき
- リドカインなどの局所麻酔薬、コラーゲン・卵・動物由来の成分、細菌の発酵でつくられた成分にアレルギーがあるとき
- ケロイドのように傷あとが厚く残りやすい体質のとき(この場合の安全性は確認されていません)
施術後のあざ、腫れ、赤みは、個人差はありますが、数日から長くても数週間で落ち着くことが多いです。次のサインは様子を見ずに対応してください。
- 注射した部分の近くの皮膚が白・灰色・青っぽく変わった、または予想と違う痛みがある。このときは待たずにすぐ受診してください。
- 浸出液が出る傷ができたときは、受診してください。
- 視界がぼやけたり見え方が変わったりしたときは、すぐに最寄りの救急外来を受診してください。
- 次のどれかが急に起きたときも、すぐに最寄りの救急外来を受診してください。ろれつが回らない、顔や腕・脚のしびれや力の入りにくさ、歩きにくさ、顔の垂れ下がり、強い頭痛・めまい・混乱。
フィラーが血管をふさぐことは起こりにくいとされています。それでも一度起きると、組織の壊死、失明を含む見え方の異常、脳卒中が起こることがあり、その影響が一生残る場合もあります*。
*米国FDAのフィラーに関する案内に基づいています。
このようなときは、LINEでの相談より受診が先です。

まとめ:カウンセリングで最初に聞きたいひと言
カウンセリングでは、まず「私の輪郭をぼやけさせているのは、頬こけとたるみのどちらが大きいですか」と聞いてみてください。フィラーの話になったら、どの深さのボリュームを立てるのか、その製品の弾性はどうかまで確認しましょう。
韓国旅行の日程で受ける場合、睡眠麻酔を使った日を除けば、施術後の飛行機を理由に施術を延ばす必要はありません。直後の見た目には腫れも混ざるため、落ち着いた状態は帰国後に確かめます。帰国後に気になる変化があればLINEに写真を添えてお問い合わせいただけますが、上のような受診が必要なサインがあるときは、まずお住まいの地域の医療機関を受診してください。
当院の施術は自由診療(保険適用外)で、費用は部位や使用量によって異なります。ソウルのハプチョン(合井)にあるビューティーストーン医院では、LINEでご相談を受け付けています。正面と横顔の写真に、以前受けたフィラーやリフティングの種類と時期、特に気になる部分を添えてお送りください。
参考にした資料
- フィラーの前に伝えたい条件、よくある反応、血管がふさがったときのサイン(米国FDA)
- 頬へのフィラーでほうれい線側の皮膚が引っ張られるかを調べた77人の3D研究(Plast Reconstr Surg, 2018)
- 頬こけ・たるみの層ごとの原因、皮膚の動きの報告、フィラーの性質をまとめた総説(Clin Cosmet Investig Dermatol, 2021)
よくある質問
Q. 頬こけとたるみが両方あるとき、フィラーとリフティングはどちらを先に受けますか?
A. 頬こけとたるみが両方あるときの順番は、一つに決めていません。どちらがフェイスラインをよりぼやけさせているかを見ます。二つの施術が同じ部位にかかるか、以前に入れたフィラーの成分は何かもあわせて見て決めます。同じ日に受けるか間隔をあけるかも、その判断にあわせて診察で決めます。
Q. フィラーを何度も繰り返して入れても大丈夫ですか?
A. フィラーを長い期間くり返し入れたときの安全性は、対照群のある臨床試験では評価されていないとされています(米国FDA基準)。そのため、追加で入れる前に、残っているフィラーの成分とおおよその量、前回の施術時期を確認することをおすすめします。記録がない場合は、その旨も伝えてください。
Q. 頬にフィラーを入れたあと、しこりが触れたらどうすればいいですか?
A. フィラーのあとに触れるしこりは、皮膚の中や下にできる結節のことがあり、数週間から数年たってから現れることもあります。注射や飲み薬の抗生物質、手術で治療が必要になる場合があるため、触れたら受診をおすすめします。その部分が赤くなったり痛んだりするときは、すぐに受診してください。
Q. 妊娠中や授乳中は、フィラーを延期したほうがいいですか?
A. 妊娠中や授乳中にフィラーを使ったときの安全性は確認されていません(米国FDA基準)。そのため、この時期はフィラーを延期する方向で相談することをおすすめします。妊娠の予定がある方や授乳中の方は、カウンセリングの最初に伝えてください。授乳を終えたあとに、時期をあらためて決めます。








