医療ひげ脱毛が止まったら?1064nmへの波長切り替えを解説
医療ひげ脱毛で太いひげだけが減らなくなったら、同じ波長で回数を足す前に、1064nmへ切り替えてエネルギーを合わせ直せるかを確認するのがひとつの方法です。2つの波長の違いとリスク、相談で聞きたい質問を整理しました。
「医療ひげ脱毛を何回か受けて最初はしっかり減ったのに、あご下や鼻下の太いひげだけが残っている」と悩む男性は少なくありません。同じ波長のまま回数を足す前に、1064nmへ波長を切り替えてエネルギーを合わせ直せる医院かどうかを先に確認するのがおすすめです。本記事では、755nmと1064nmの違い、切り替えを考えるときのリスク、ソウルで相談する際に聞きたい質問を解説します。
「赤い光が見えるレーザーは、男性のひげには効かない」という話を耳にすることもあるでしょう。755nmも1064nmも近赤外線の領域にある光で、目に見える光の色が効き目を示すわけではありません。
755nmと1064nmは、毛に届く深さが違う
ここでは、2つの波長が毛にどう作用するかを整理します。
755nmはアレキサンドライトレーザーの波長で、毛に含まれるメラニンによく吸収され、少ないエネルギーでも毛を加熱しやすい特徴があります。1064nmはヤグレーザー(Nd:YAG)の波長で、より深い位置まで届きます。濃い毛を対象にした臨床経験の報告では、1064nmは深く届いて濃い色素を狙う波長と説明されています。太く根の深いひげで、2つの波長の役割が分かれるのはこのためです。
一方で、1064nmは毛を加熱するのに、より多くのエネルギーを必要とします。頭髪のサンプルにレーザーを当てた実験では、毛の温度が急に上がり始める閾値のエネルギーが1064nmで約10J/cm²、755nmで約2.5J/cm²と推定されました。ただし、皮膚の中ではなく空気中で測った値で、研究者の一部は機器メーカーに所属しています。「1064nmは毛を加熱するのにより高いエネルギーが要る」という方向までを読み取るのが妥当です。
*閾値フルエンス(threshold fluence):毛の温度が急に上がり始める、単位面積あたりのエネルギーのことです。

数回で止まったひげは、毛の性質が変わっている可能性
ここでは、減り方が止まったときの考え方を紹介します。
太いひげは、最初の数回で目に見えて減ったあと、ある時点からあご下や鼻下の太い毛が減らなくなることがあります。ソウルのビューティーストーン医院では、キム・ガウル院長がこの段階で同じ設定のまま回数を重ねるのではなく、ジェントルマックスプロプラス1台に搭載された755nmと1064nmを切り替えながら、まず肌タイプを確認し、残った毛に合わせてエネルギーを設定し直しています。
60人を追った臨床経験の報告でも、1種類のレーザーで施術を重ね、毛の性質が変わった段階で別の波長に移る方法がとられています。ただし、対照群がなく、男女をまとめた60人規模で、経過観察は6か月までです。ひげだけを分けて分析していないため、この結果をひげ脱毛の成績として読むことはできません。「毛が変われば、波長も見直す」という原則までが、この報告と診療室で見る経過が重なる部分です。

1064nmは、エネルギー設定が結果を分ける
ここでは、波長を変えるときにエネルギーの見直しが欠かせない理由を解説します。
閾値が高いということは、設定の幅が狭いということでもあります。低すぎれば毛が十分に加熱されず、その肌に対して高すぎれば負担がかかります。104本の文献をまとめたレビューでは、皮膚の合併症は多くの場合、施術工程の誤りや患者側の特性に関連すると整理され、比較されたレーザーの中でヤグレーザーの痛みスコアが最も高かったとされています。
| 項目 | 755nm(アレキサンドライト) | 1064nm(ヤグ) |
|---|---|---|
| 毛への届き方 | メラニンによく吸収される | より深く届く |
| 毛の温度が急に上がる閾値(毛髪サンプル) | 約2.5J/cm² | 約10J/cm² |
| 痛み | ヤグより低めと報告 | 痛みスコアが最も高いと報告 |
| 設定で見る点 | 肌タイプに対して高すぎないか | 毛が加熱され、肌が耐えられる範囲か |
そのため、波長を切り替える判断と、その波長のエネルギーを決め直す判断はセットです。波長だけを変えて以前の感覚のまま設定すると、効果も肌の反応も想定と違う方向に進む可能性があります。

2つの波長は、混ぜるほどよいわけではない
ここでは、「切り替え」と「併用」の違い、そしてリスクの捉え方を整理します。
脚の脱毛を20人・18か月追ったランダム化試験では、755nmと1064nmはどちらも単独で効果があり、2つを併用した側は上乗せの効果がないまま、色素の変化と痛みが増えました。本記事で扱うのは一度に混ぜる方法ではなく、減りが止まった段階で片方に切り替える判断です。
リスクを1064nmだけの問題と考えるのも正確ではありません。1万6,900人を対象にした症例対照研究では、肌タイプIII〜IVでアレキサンドライト、特に高いエネルギーが合併症のリスク要因として挙がっています。リスクは波長の名前より、その肌に合わないエネルギーから生じると考えられています。なお、男性のひげだけを対象に波長の切り替えを比べた研究は見つかっておらず、1064nmのほうがよく効くと言える根拠もまだありません。
*肌タイプ(Fitzpatrick skin type):日焼けで赤くなりやすいか、黒くなりやすいかで肌をI〜VIに分けた分類です。

施術後のリスクと、帰国前に見ておきたい反応
ここでは、様子を見てよい反応と、すぐに連絡したい反応を分けて紹介します。
施術後、毛穴のまわりが赤くポツポツと盛り上がることがあります。1〜2日で落ち着く場合は、よくある反応と考えられます。一方で、水ぶくれができた、肌が白っぽく、または灰色っぽく変わった、痛みや赤みが数日たっても強くなる場合は、すぐに施術を受けた医院へご連絡ください。膿をもつ毛嚢炎も診察が必要です。
渡韓の日程に組み込む場合は、施術日を滞在の前半に置き、帰国前に肌の反応を確認できる日数を残しておきましょう。
次に当てはまる方は、施術前に医師へお伝えください。
- ひげの部位に、膿をもつ炎症や感染がある
- 口まわりに口唇ヘルペスが出やすい
- 傷あとが盛り上がりやすいケロイド体質である
- 光に過敏になる薬を飲んでいる

まとめ|回数を足す前に、相談で聞きたい3つのこと
太く黒いひげが数回で減らなくなったら、同じ波長で回数を足す前に、1064nmへ切り替えてエネルギーを合わせ直せるかを確認するのがひとつの方法です。755nmはメラニンによく吸収され、1064nmはより深く届く一方、毛を加熱するのに高いエネルギーを必要とします。
ただし、どちらの波長にも合併症のリスクがあり、2つを混ぜればよいわけでもありません。ご自身の肌タイプと毛の状態を踏まえ、医師と相談して決めることが大切です。相談の際は、次の3つを聞いてみてください。
- この機器で、755nmと1064nmを切り替えられますか?
- 1064nmに変える場合、私の肌タイプと毛の太さでエネルギーをどう決めますか?
- 今が「減りが止まった段階」かどうかは、何を見て判断しますか?
ソウル・ハプチョン(合井)駅のメセナポリスにあるビューティーストーン医院では、LINEでのご相談を承っています。日本人スタッフが在籍しているので、日本語でそのままご相談いただけます。「あご下や鼻下の太いひげだけが残っている」という方は、これまでの回数と渡韓の日程を添えて、お気軽にご相談ください。LINEのメッセージは相談の受付で、予約の確定ではありません。
よくある質問
Q. ひげ脱毛は、波長を変えればもう生えてこなくなりますか?
A. 波長を変えても、今後まったく生えないとお約束することはできません。レーザー脱毛は毛を減らし、細くしていく施術と考えるのが適切で、時間がたってから数本がまた見えてくる経過もあります。
Q. 自分の国で受けてきた脱毛の記録は、相談に役立ちますか?
A. これまでの回数と間隔、どの波長・エネルギーで受けたかが分かると、減りが止まった段階かどうかを判断する参考になります。記録がない場合は、始めたころと今のあご下・鼻下を同じ照明で撮った写真も比較の目安になります。
Q. 1064nmの施術は痛みが強いですか?
A. レーザー脱毛の合併症を整理したレビューでは、比較されたレーザーの中でヤグレーザーの痛みスコアが高く報告されています。感じ方には個人差があるため、痛みが心配な方は施術前に医師へご相談ください。
Q. 施術の前に、ひげを抜いたりワックスをしたりしてもよいですか?
A. レーザーは毛穴の中にある毛の色素を狙うため、抜いたりワックスで根元から取ったりすると、狙う対象が減ってしまいます。剃るタイミングは医院によって案内が異なるため、予約の際にご確認ください。ご自身に合う波長や日程は、診察で決めることが大切です。








